カロリー。栄養バランス。基礎代謝。運動より食事。タンパク質の必要性。
管理栄養士が発信するダイエット情報は、すでに世の中に溢れかえっています。メディア、SNS、YouTube、noteプラットフォーム。あらゆる場所で正しい情報が流通しているでしょう。
あなたももしダイエットに興味があるなら、上記のほとんどを耳にしたことがあるはずです。
では、なぜ続かないのか。
問題は知識ではありません。その知識を持ちながら行動できていない理由に気づいていないということです。つまり、正しい自己認識の欠如なのです。
情報収集で脳が満たされている
SNSや広告でダイエット情報を目にすると、なんだかワクワクしませんか?
脳科学の観点から見ると、これは合理的な行動です。ドーパミンは「報酬そのもの」に反応するのではなく「報酬への期待」に反応します。新しいダイエット情報を見つけた瞬間、脳はドーパミンを放出する。その快感が得られる。
短期報酬を求めて情報を集める人は、実はこのワクワクに脳科学的にハマっているのです。つまり、ダイエット情報をいくら集めても続かないのは、集めるという行為そのものが既に脳を満足させているからです。
「これをやったら痩せそう!」という段階が一番脳がドーパミンが出ているのです。なので、買って届いても全然やらない。あるいは3日で辞める。
それは意志が弱いからではなく、情報収集の時点で報酬系が既に完結しているからです。あなたが実行に移せないのは、脳のメカニズムの問題であり、あなたの意志力は関係ありません。
3kg到達までの過程が難しい
ちなみに3kg痩せると服を着た時の感じが変わってきます。5kg痩せると周囲の反応が変わってきます。その変化が神経レベルで継続を支える報酬になります。社会神経科学の研究でも、他者からの肯定的フィードバックは、脳の報酬系の同じ領域(腹側線条体)を活性化させることがわかっています。
ただしそこに到達するまでの過程です
。ゼロから3kgまで、一人で耐えるのは脳のメカニズム上難しい。なぜなら、その過程では外部からの反応がないからです。体重が1kg減ったくらいし、戻ることもある。
では、実際にダイエットができる人達はどういうテクニックを使っているのでしょうか?
脳の特性は人それぞれなので、もしかしたら生まれつき長期報酬に反応できる人もいますし、後天的に長期報酬への反応を身につけた人もいるでしょう。どちらにせよ、短絡的なドーパミンに依存せず、長期的で理性的な判断をしている人が多いのです。
様々なタイプがいますが、過程自体を楽しむ人もいれば、まずは1ヶ月ジムに通う、というゲーミフィケーションを味方につける人もいます。
中には人と競争することで別の報酬を設定する人もいますし、食事記録をSNSで公開するという外部刺激でモチベーションを維持できる人もいます。
ただしこれはそれぞれ向き不向きがあります。
特に「自分は痩せられない」と思っている人には上記は全て難しかったりします。なぜなら、ダメだと思っている自分に向き合うのが、一番つらいことだからです。
伴奏の役割
外部からの小さな反応が、報酬システムを動かします。
「その食べ方はいい」「昨日より進んでいる」「その選択は正しい」
こうした言葉が、行動経済学の研究で示されている「中間地点での承認」になります。目標達成プロセスにおいて、中間地点での承認が、最終目標達成の確率を大幅に高めることが示されています。
つまり、見守られている感覚が、脳の報酬系を安定的に機能させるのです。
ゼロから3kgまで一人で耐えるのではなく、その過程で「見守られている」という感覚を持つこと。その感覚が、現状維持バイアスに対抗する力を生み出す。